9月19日に東京の日本赤十字看護大学で、
看護未来塾決起集会・設立記念フォーラムが開催されました。
参加者は200人だったみたいです!
南 裕子(元日本看護協会会長・ICN(国際看護協会)会長)氏が発起人代表となり、
岡谷 恵子(元日本看護協会専務理事)、
川嶋 みどり(日本赤十字看護大学名誉教授)など
そうそうたるメンバー25人の発起人が以下の設立趣意書に基づき、「未来を新たな知で拓こう」と訴えていました。
この設立趣意書は共感することも多く、感激したので原文ママで載せたいと思います。
「看護未来塾」設立趣意書
私たちは、人々のいのちと暮らしに寄り添う看護専門職有志の集まりです。
今この国で起こっている様々な出来事、たとえば、言論の自由を制限し、平和な暮らしや生命の安全を脅かすような政策の流れに対して強い危機感を持って集まりました。
そして、個々の事象をしっかりと見据え、声を上げ、行動していくために「看護未来塾」を設立することにしました。
「看護未来塾」設立の背景には次のような危機感があります。
第一に、戦後70年を経て、過去の戦争体験が風化しつつある中、平和のよりどころとなる憲法を変え、表現・言論の自由を制限し、軍事偏重の政策、軍事/防衛研究の拡大に向かってしまうのではないかという危機感です。
あの戦争では、多くの先輩看護職者が人間の尊厳を否定する戦争の不条理さに直面し、悲惨な数々の体験をしました。
今を生きる看護職者は、その歴史の教訓をもとに平和と基本的人権と健康を守るために行動しなくてはいけません。
第二に、経済・財政状況の悪化による社会保障制度崩壊に対する危機感です。社会保障制度の如何は、国の文化水準を示します。国民誰もが貧困と欠乏から免れ、個人として尊重され、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があります。
この権利がなし崩しにされかねない状況に対する危機感です。未曾有の超高齢化社会を乗り切り、格差や貧困を防止するためにも社会保障のあり方が問われているのです。
人生の四大イベントといわれる生・病・老・死の何れの場面にも深く関わる看護職者であるからこそ、誰もが健康で幸福に生きるための社会保障制度には強い関心を持って、行動しなければなりません。
第三に、近年の医療現場の様相は、あまりにも経済性や効率性が重視され過ぎて、医療者も医療の受け手もともに人間性が疎外されているという危機感です。
医療技術の飛躍的な進歩が人々の延命に貢献したことは認めますが、一方で、過密な業務の繁忙ゆえに疲弊した状況下で、人間らしい心遣いや思いやりをもった看護の心を失いかねない状況すら生まれています。
サービスの縮小と国民の負担増による改革は、看護の視点からも認めるわけにはいきません。
第四に、長い歴史の中で病人をはじめ高齢者、障害者、弱者や子どものケアに携わって来た看護職者が、物言わぬ集団になっていることへの危機感です。現在160万人もの大職業集団でありながら、体制に無批判に従い、職務を従順に遂行するだけでよいでしょうか。
常に健康不安や生命の危機に直面した人々の間近にいる者として、自らの職業観に照らして納得できないことに対しては、主体性を持って声を上げるべきではないでしょうか。
全ての医療・保健・福祉に携わる職種と国民のために、人が人をケアする仕事が最も大事にされる社会となるよう共に声を上げていかなければなりません。
「看護未来塾」は、世界のあらゆる国や地域に暮らす人々のいのちと暮らしの安全を守り、国のあり方の根幹を問い、どのような状況でも一人ひとりが自由と可能性を実現できる、生き甲斐のある平和な社会の構築を目指し、アクティブに活動する組織です。
趣旨にご賛同いただける方々には、ぜひ「看護未来塾」にご参加いただき、共に考え、声を上げ、活動していきましょう。
平成28年7月29日(土)
「看護未来塾」設立発起人一同
看護未来塾HP↓
http://www.kangomirai.com/about-us
医療現場では看護が無くなっているとよく話しに出ます。
本来、もっと患者さんに寄り添った看護がしたいと思っても雑務が多すぎてそれに日々を奪われている状態…。
患者さんの命を守り、医療・福祉を守るために少しづつでも声を上げたいと思う今日この頃…。