2019年04月11日

『春闘』は日本独自の労働運動

?そもそも『春闘』とは?

 日本では官公庁や多くの企業が4月から新年度となります。
新年度にあたって会計年度も切り替わり、職場の人員配置が見直され、労働者個々の賃金や労働条件も基本的に確定することになります。
このような賃金や労働条件はどのようにして決まるのでしょうか?


労働基準法第2条1項において

『労働条件は労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものである』と規定されています。

とは言っても、対等の立場で決めるよいうのは簡単なことではありません。
実際の交渉の場では経営者は『経営状況が厳しい』『景気の先行きを見極めないと』『競争に勝たないと』など様々な理由をつけて、労働者の要求に応えようとはしません。
しかし労働者側が経営状況を知らされて動揺し、忖度(そんたく)していたのでは労働条件改善に繫がりません。経営を改善し、労働者の労働条件を改善することは経営者の役割であり社会的責任でもあるからです。





多産業の労働者との共闘が大きな力に

個々の企業だけで交渉をしていても企業内のミクロな要求前進につながりはしますが、一企業で解決しにくい要求(例えば人員不足改善や、医療従事者の産別最低賃金底上げなど)はなかなか実現しません。
そこで、労働条件や作業環境、法律環境などに共通性を持つ同一産業内の労働組合が一緒になって各単位産業(単産)別に労働組合運動が進められてきました。
しかしながら、こうした単産だけのたたかいにも限界(診療報酬を改善する、保険システムを改善する等政治を変える)があるため、これを乗り越えるために多数の単産による共同闘争が取り組まれるようになります。


戦後の労働組合運動では1954年に合成化学・炭鉱・私鉄・電気産業・紙パルプの5単産による共闘委員会尾が結成され、1955年には更に金属・化学・電気が加わり8単産による『春闘賃上げ共闘会議』へと発展します。
日本の労働組合運動の歴史の上ではここから『春闘』が始まりました。


多産業の労働組合が共闘し、賃金引き上げや増員など労働条件の改善要求に加え社会保障制度の改善などの国民要求を掲げて、ストライキをはじめとする統一行動を行い、要求の実現を求める---日本独自の運動でもある『春闘』は、労働組合と市民運動等の共同のたたかいとして進められてきたものです。

『春闘』は日本独自の労働運動



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Posted by 熊本県医療介護福祉労働組合連合会 at 16:30│Comments(0)雑記
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